13B-MSP型エンジンについて(マツダのロータリーエンジン)
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今回は、マツダのロータリーエンジンである、13B-MSP型エンジンについてまとめます。
13B-MSP型エンジンの主なスペック
RX-8(SE型)搭載のスペック
前期型
水冷直列2ローター 654cc×2
標準モデル
最高出力:154kW(210PS)/7200rpm
最大トルク:222Nm(22.6kgf・m)/5000rpm
TYPE-E(6AT)
最高出力:158kW(215PS)/7450rpm
最大トルク:216Nm(22.0kgf・m)/5500rpm
TYPE-S(6MT)
最高出力:184kW(250PS)/8500rpm
最大トルク:216Nm(22.0kgf・m)/5500rpm
後期型
水冷直列2ローター 654cc×2
標準モデル
最高出力:158kW(215PS)/7450rpm
最大トルク:216Nm(22.0kgf・m)/5500rpm
MTのハイパワーモデル
最高出力:173kW(235PS)/8200rpm
最大トルク:216Nm(22.0kgf・m)/5500rpm
13B-MSP型エンジンの技術的な特徴
13B-MSP型エンジン(=RENESIS)に込めた想い
この13B-MSP型エンジンは、別名でRENESISとも呼ばれます。
ターボチャージャを搭載せず、サイド吸気とサイド排気を採用することにより、ターボチャージャ搭載と同じ出力と低燃費と排ガス特性を改善した新世代ロータリーエンジンとなります。
このRENESISの名前の由来は、ロータリーエンジンの略称である「RE」と、新たな創生を意味するGENESISの造語となっています。
サイド排気
ロータハウジングにあった排気ポートをサイドハウジングに移すことで、吸気と排気のタイミングの重なりを解消し、吸気行程への排気ガスの残存量を低減しています。
また、アペックスシールによって集められた未燃焼ガスを次の燃焼行程で燃焼させることで、未燃焼ガスの排出量を低減するとともに、燃費の改善にも貢献しています。
さらに、サイドハウジングの両側に排気ポートを両側に設けることで、従来と比べて2倍の排気断面積を確保し、排気抵抗の低減に成功したほか、排気タイミングを遅らせることで、膨張比を大きくし、熱効率の改善も可能にしています。
吸気ポート
排気ポートとのオーバーラップをなくすことで、吸気ポートのレイアウトや形状やタイミングの自由度が向上しました。
その結果、従来より吸気ポート面積を約30%拡大して吸気抵抗を大幅に低減さるることに成功しています。
また、吸気ポートのクローズタイミングを遅らせることで、吸気量を増加させ、高出力化も行われています。
ローター
ロータを約5%・フライホイールを約15%軽量化しています。
レシプロエンジンとは違い、ロータリーエンジンはピストンそのものが回転していることになるので、こうした軽量化はエンジンの慣性モーメントや、遠心力の低減に役立ち、安定した高回転化を実現しています。
サイドシール
従来、アペックスシールでカーボンを掻き出していました。
しかし、排気をペリフェラルからサイド排気に変更したため、オイルのカーボン対策が必要になりました。
さらに、サイド排気によって、排気ガスの流れる方向が曲がるために、排気ポートのコーナーの部分によりカーボンが溜まりやすくなる問題もありました。
そこで、サイドシールの断面形状を台形のキーストン・サイドシールを採用し、サイドシール部にカーボンカーボンスラッジが溜まり動作しなくなることを防止しています。
13B-MSP型エンジンの搭載モデル
RX-8
マツダのロータリースポーツカーです。
RX-7の後継モデルに当たります。
低重心で高回転まで滑らかに回るエンジン、官能的なサウンドと、スポーツカーとしての基本となる素質を高めながらも、4人乗りにすることでファミリーユースとしても使うことができるようになっています。
子供を乗せてドライブなんていうロマンチックなことも可能で、毎日の生活で、気軽にロータリーエンジンに触れることができるモデルです。
→RX-8の詳細記事
13B-MSP型エンジンのまとめ
13B-MSP型エンジンは、従来のロータリーターボに対し、自然吸気のままロータリーターボの出力を実現することを目的に開発が行われたエンジンです。
こうした技術開発の結果、燃費も向上し、出力も確保することができました。
現在は排ガス規制などもあり、ますます環境に対する意識が高まっていく中、ロータリーエンジン復活のためには、こうした地道な技術開発を重ねる必要があります。
技術屋のマツダであれば、いつかきっとロータリーエンジンを復活させてくれると思っています。
以上が、マツダのロータリーエンジンである、13B-MSP型エンジンのまとめです。